外来検査内容
心電図
心電図検査
心電図検査(ECG)は、心臓を流れる電気刺激を記録する検査法で、迅速かつ簡単で、苦痛のない方法です。心電図をとるには、腕、脚、胸に電極(皮膚に固定する小さな円いセンサー)をつけます。 これらの電極は1拍ごとの心臓内での電流の大きさと方向を測定します。
健診でも行われる一般的な検査です。また、不整脈、心筋梗塞、心筋症といった心臓病の経過観察としても行われます。心電図をとるのにかかる時間は約3分です。
胸部レントゲン写真
胸部X線検査
心疾患が疑われる場合は、胸部X線画像を撮ります。X線画像では心臓の形と大きさ、肺や胸部を流れる血管の輪郭がわかります。心臓の形や大きさの異常、心臓や血管の組織内へのカルシウムの沈着といった異常を発見できます。 また、X線画像では、特に肺の中の血管に異常があるかどうか、 肺の内部や周囲に液体がたまっているかどうかなど、肺の病態についての情報も得られます。
心臓超音波検査
心臓超音波波検査(心エコー)
心臓超音波検査(心エコー)とは、超音波を用いて心臓を画像にして心臓の動きや大きさ、弁の状態、血液の流れなどを観察する検査です。この検査ではX線を使いません。検査は上半身裸になり、ベッドに左向きに横なった状態で行います。超音波を出す装置を胸に当てて心臓を観察できます。検査時間は20〜30分です。
CT検査
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)とは、X線を利用して人体の輪切り像を得る検査です。CT検査は普通のX線検査と異なり、組織の密度の違いを描出できるため、より詳細な画像が得られます。病気を早い段階で見つけることも可能です。血管の異常や肺疾患の有無、腹部の臓器の異常所見も観察が可能です。
冠動脈CT検査
心臓を栄養する冠動脈という心臓の血管が狭いかどうか判断する検査です。狭心症や心筋梗塞が疑われる方の診断に用いられます。当院では80列マルチスライスCT(Aquilion™ Prime SP)を導入し、心臓CT検査実施しています。この心臓CT装置は、画像が非常に鮮明であり、狭心症の診断や冠動脈治療後の再狭窄を調べるのに有用です。検査は短時間で終了します。(約15分、撮影時間は、15秒程度です。)心臓の血管を鮮明に描出するために造影剤という医薬品を点滴で体の中に投与し撮影を行います。結果は3次元の立体画像に合成されます。造影剤によるアレルギーが出る方がいるため、詳しい検査説明を受けていただいてから検査を行います。
24時間ホルター心電図
24時間の心電図を記録して自覚症状の有無、不整脈、薬の治療効果などを調べる検査です。機械の装着と説明で約20分程度です。機械は翌日に返却していただきますが、遠方や仕事で来院が難しい方は郵送で返却できるサポートをしております。心電図の機械を返却後の1-2日後に結果説明可能です。
※注意事項:お風呂やシャワーの使用はできません。電気毛布などは記録障害の原因になりますので、使用できません。
ホルター心電図使用の流れ
- 心電図記録用のシール電極を胸に5枚貼ります。
- 小さな携帯用心電計を腰に装着します。
- 行動や自覚症状などを記録する記録用紙の記載方法を説明します。
- 機械を装着したまま、通常の生活をしていただきます。行動記録や自覚症状の記録をとっていただきます。
- 翌日、機械を返却しに来ていただきます。
7日間心電図記録器 Heartnote
7日間心電図記録器 Heartnote
24時間ホルター心電図との違いは、
1.最大7日間の長時間データを測定可能です。
2.軽量でコードレス設計のため、装着負担が少ないです
3.防水仕様のため、装着したままシャワーや半身浴が可能です
7日分の解析が必要であり、結果説明は機械を返却後2-3週間後となります。
外形寸法 W30×H100 ×D5mm、重量 12g(電池含む)
血管脈波検査(ABI検査)
血管年齢の測定を行うことができる検査です。
ABI (Ankle-Brachial Index)検査とは足首と上腕の血圧の比のことで、手足の動脈の狭窄や閉塞を評価する指標です。歩いた時に下肢に痛みがある、左右の上肢の血圧に差がある、高血圧や糖尿病など動脈硬化のリスクがある方が検査を受けて、手足の血管の動脈に狭いところがないか評価します。
頸動脈エコー検査
首の血管の様子を超音波でみる検査です。高血圧や糖尿病、脂質異常症の診断を受けている方で動脈硬化や脳梗塞の疑いがある方に行います。動脈硬化の早期発見や進行具合を確認します。
睡眠時無呼吸症候群(検査・治療)
簡易睡眠時無呼吸検査(SAS検査)
睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome:SAS サス)とは
眠っている間に、呼吸の停止(無呼吸)や、普通の半分くらいの呼吸(低呼吸)に減ってしまう病気で、 それによって日常生活に様々な障害を引き起こす疾患です。
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある患者さんには簡易型の睡眠時無呼吸検査を自宅で行います。携帯型の装置を就寝時に装着し、睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度(SpO2)などを調べます。
簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、1泊2日の入院にて精密検査であるポリソムノグラフィー(PSG検査)を受けて診断・治療適応について最終的に判断いたします。
睡眠時無呼吸症候群の主な症状
大きないびき、いびきをかいたあとに呼吸がとまる(無呼吸)
日中の強い眠気(会議中や運転中など、すぐに眠たくなる)
突然息が苦しくなって目が覚める、身体がだるい、夜間のトイレの回数が増える(頻尿)
集中力や記憶力の低下、朝目覚めると喉がカラカラ
本人はほとんど気付かない目覚め(=脳波上の覚醒)が起こり、睡眠の質が低下し日中の眠気が起こります。無呼吸になると睡眠中に酸欠状態になるため、少ない酸素を全身にめぐらそうとして心臓や血管に負担がかかることにより、 様々な生活習慣病の合併症を引き起こします。
「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に平均5回以上または、 一晩(7時間)の睡眠中に30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS サス)の主な原因
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の病態の多くは、空気の通り道(気道)が塞がる又は狭くなることによって起こる、閉塞型無呼吸症候群です。空気の通り道である気道が狭くなると「いびき」になり、さらに気道が閉じることで呼吸が止まります。仰向けで眠っているときは起きているときより気道がせまくなります。 これは、睡眠という状態では筋肉がゆるみ、舌や軟口蓋が重力に引っ張られて沈むためです。
主な原因:筋力の低下(加齢)、舌が重い(肥満)、顎が後退している
軟口蓋が長い(形態的問題)、扁桃腺肥大(喉の扁桃腺が異常に肥大した状態)
鼻中隔彎曲症(2つの鼻孔とそれに続く鼻腔の仕切りとなっている鼻中隔が曲がっている状態)
睡眠時無呼吸症候群の治療
治療の必要があると判断された場合は、機械によって睡眠中の呼吸を補助する持続陽圧換気療法(CPAP)や在宅酸素療法(HOT)、適応補助換気療法(ASV)など、原因や症状の程度に合わせて治療を行います。治療の間は月に1回、外来診察にてフォローを行います。